「広告費をかけてアクセスは増えているのに、なぜか購入につながらない」
「カート放棄率が高いけれど、どこを改善すればいいのかわからない」。

ECサイトやWebマーケティングを担当していると、コンバージョン率の低さに頭を悩ませることは少なくありません。Google Analyticsを開いてコンバージョン率2%という数字を見ても、「で、結局何が悪いの?」と途方に暮れてしまう。そんな経験、ありませんか?
実は多くの場合、「購入完了」という最終ゴールの数字だけを追いかけていても、本当の課題は見えてきません。なぜなら、お客様が購入に至るまでには必ず「途中のプロセス」があり、その途中で何が起きているかを把握しなければ、効果的な改善策は打てないからです。まるで、ゴールにたどり着けなかった理由を、スタート地点とゴール地点だけ見て判断しようとしているようなものです。
そこで注目したいのが、セールスファネルにおける「中継ゴール」という考え方です。中継ゴールとは、マイクロコンバージョンとも呼ばれ、最終的な購入に至るまでの中間地点に設定する指標のこと。この中継ゴールを適切に設定し分析することで、お客様がどこで離脱しているのか、どのステップに課題があるのかが明確に見えてきます。つまり、「何が悪いのかわからない」状態から「ここを改善すればいい」という具体的なアクションに変えることができるのです。
この記事を最後まで読んでいただくと、コンバージョン率が低い本当の原因を特定する方法、効果的な中継ゴールの設定方法、そして優先順位をつけた改善の進め方がわかるようになります。「何から手をつければいいかわからない」という悩みから解放され、データに基づいた確実な改善ができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
セールスファネルとマイクロコンバージョンの基本

一般的なECサイトのセールスファネルは、サイト訪問から始まり、商品一覧ページを閲覧し、気になる商品の詳細ページを見て、カートに追加、お客様情報を入力し、最終的に購入完了となります。この各段階で一定の割合のお客様が離脱していくため、最終的なコンバージョン率は2〜3%程度と言われています。つまり、100人訪問しても実際に購入するのは2〜3人という計算です。
ここで重要になるのが「マイクロコンバージョン」の概念です。マイクロコンバージョンとは、最終的な購入完了の前に設定する中間地点の目標のことを指します。たとえば「商品詳細ページの閲覧」「カートへの追加」「お客様情報入力画面への到達」「確認画面への到達」などが該当します。これらは購入完了ではありませんが、購入に向かって一歩ずつ進んでいる証拠と言えます。
なぜ最終ゴールだけでは課題が見えないのでしょうか。月に100人の訪問者がいて2人しか購入しなかった場合、「コンバージョン率2%」という数字だけでは、商品ページが魅力的でなかったのか、カートの使い勝手が悪かったのか、入力フォームが複雑すぎたのか、それとも送料が高すぎたのか、全く判断できません。マイクロコンバージョンを設定することで初めて、「100人中80人は商品詳細ページまで到達しているのに、カートに追加したのは20人だけ。ということは、商品詳細ページに問題がありそうだ」といった具体的な分析ができるようになります。つまり、マイクロコンバージョンは問題箇所を特定するための「診断ツール」なのです。
マイクロコンバージョンを設定する3つのメリット
マイクロコンバージョンの概念を理解したところで、次は「なぜマイクロコンバージョンを設定すべきなのか」という具体的なメリットについて見ていきましょう。実は、マイクロコンバージョンを設定することで得られる効果は想像以上に大きいのです。多くのEC事業者やマーケティング担当者がマイクロコンバージョンを活用して成果を上げている理由は、以下の3つのメリットにあります。それでは、1つずつ詳しく解説していきます。
ボトルネックの早期発見ができる

このように、問題箇所を特定することで、闇雲に全体を改善するのではなく、効果の高いポイントに集中して取り組めるようになります。リソースが限られている中小企業やスタートアップにとっては、この「どこから手をつけるべきか」が明確になることは非常に大きなメリットです。
改善施策の優先順位がつけやすくなる

たとえば、訪問者100人のうち80人が商品詳細ページに到達し、そのうち30人がカートに追加し、最終的に3人が購入したとします。ここでカート追加率を30%から40%に改善できれば、他の条件が同じなら購入者は3人から4人に増える計算になります。一方、すでに高い遷移率を保っている部分を改善しても、得られる効果は限定的です。このように数値で見ることで、「この部分の改善に集中すれば、最も効率よく売上が伸びる」という判断が可能になるのです。
データ量が増えて分析精度が向上する

しかしマイクロコンバージョンを設定すれば、「商品詳細ページ閲覧100件」「カート追加30件」「情報入力開始10件」といった具合に、分析に使えるデータ量が大幅に増えます。これにより、施策の効果をより早く、より正確に判断できるようになります。また、Google広告などの自動入札を活用する場合も、過去30日間に50件以上のコンバージョンが推奨されていますが、マイクロコンバージョンを含めることでこの基準を満たしやすくなり、機械学習の精度が向上して広告効果も高まります。
ECサイトにおけるマイクロコンバージョンの具体例と改善効果

商品詳細ページを見て実際にカートに追加した「カートへの追加」は、お客様が購入を具体的に検討し始めた証拠です。ここまで来れば、購入確度は大きく高まっています。詳細ページの閲覧数に対してカート追加率が低い場合、商品説明が不十分だったり、レビューが少なかったり、送料や配送日数の情報が見つけにくいといった課題が考えられます。
カートから購入手続きに進み情報入力画面を表示した「お客様情報入力画面への到達」、そして必要な情報を入力し終え確認画面まで進んだ「確認画面への到達」も重要なマイクロコンバージョンです。カートから入力画面への遷移率が低い場合は送料の高さや支払い方法の少なさが、入力画面から確認画面への遷移率が低い場合はフォームの使いにくさが原因として考えられます。
より実践的なマイクロコンバージョンの設定例
ここからは、実際に設定できる、より具体的なマイクロコンバージョンの例を見ていきましょう。これらの設定にはGoogle AnalyticsやGoogle Tag Managerなどのツールを活用します。
エンゲージメントの高い訪問者を見極める
ランディングページに訪問して「2分以上滞在」かつ「70%以上スクロール」している人は、商品やサービスに強い関心を持っている可能性が高い訪問者です。このような条件を組み合わせたマイクロコンバージョンを設定することで、単なるページビューではなく、真剣に検討している人の数を把握できます。この数値が少ない場合は、ページの冒頭部分で離脱されている、つまりファーストビューの訴求力が弱い可能性があります。
顧客との接点を増やすアクション
「LINE公式アカウントへの登録」「メールマガジンの購読」「会員登録の完了」などは、購入には至っていませんが、将来の見込み顧客として非常に価値の高いマイクロコンバージョンです。特にBtoB商材や高額商品の場合、一度の訪問で購入に至ることは稀です。こうした継続的な接点を作れた時点でマイクロコンバージョンとして計測することで、長期的な顧客育成の効果を測定できます。
購入意欲の高まりを示すアクション
「FAQページの閲覧」「配送情報ページの確認」「サイズガイドの参照」「商品レビューの閲覧」「商品比較ページの利用」などは、お客様が購入を前向きに検討している証拠です。これらのページを見ている人は、購入に向けて最後の不安を解消しようとしている段階と言えます。このマイクロコンバージョン率が高いのに購入率が低い場合、FAQ内容の充実やレビューの増加が効果的な施策になります。
動画や資料のエンゲージメント
「商品紹介動画の50%以上再生」「カタログPDFのダウンロード」「使い方動画の視聴完了」なども有効なマイクロコンバージョンです。動画を最後まで見る、資料をダウンロードするという行動は、明確な興味の表れです。これらの数値を追跡することで、コンテンツの質や訴求力を評価できます。
複数ページの回遊パターン
「3ページ以上閲覧」「異なるカテゴリの商品を2つ以上閲覧」といった回遊パターンも、サイトへの関心度を測る指標になります。複数の商品を比較検討している状態は、購入意欲が高まっている証拠です。このパターンが少ない場合は、関連商品の提案やサイト内検索の改善が必要かもしれません。
ただし、これらのマイクロコンバージョンを適切に設定するには、Google Tag Managerの知識や、各ツールの設定経験が必要になります。「設定方法がわからない」「どのマイクロコンバージョンを優先すべきかわからない」という場合は、専門家のサポートを受けることで、スムーズに導入できます。
実際の数値例で見る改善効果
実際の数値例で見てみましょう。月間訪問者1000人のECサイトで、商品詳細ページ閲覧が800人(80%)、カート追加が240人(30%)、情報入力開始が72人(30%)、確認画面到達が54人(75%)、購入完了が27人(50%)という状況だとします。この場合、最も遷移率が低いのは「カート追加率30%」と「情報入力開始率30%」です。
ここで、カート追加率を30%から35%まで向上させたとします。すると、カート追加が280人になり、他の遷移率が変わらないと仮定すると、情報入力開始が84人、確認画面到達が63人、購入完了は約31人まで増加します。たった5%の改善でも、最終的なコンバージョンには約15%の向上効果があることがわかります。このようにマイクロコンバージョンを可視化することで、小さな改善の積み重ねが大きな成果につながることが実感できるのです。
マイクロコンバージョンを活用した改善プロセス
マイクロコンバージョンを設定したら、実際の改善サイクルを回していきましょう。まずは現状把握から始めます。サイト訪問から購入完了までの全ステップについて、各段階の人数と遷移率をダッシュボードにまとめ、週次や月次で推移を追跡できるようにしておきましょう。Google AnalyticsやLooker Studio、TableauなどのBIツールを使うと、視覚的にわかりやすいダッシュボードが作成できます。

改善すべきポイントが明確になったら、具体的な施策を考えます。この際、いきなり大掛かりな改修をするのではなく、ABテストで効果を検証しながら進めるのがおすすめです。たとえばカート追加率を改善したい場合、購入ボタンの色を変える、レビューを目立つ位置に配置する、送料無料の条件を明記する、商品画像を増やすといった複数の仮説を立て、1つずつテストしていきます。小さな変更でも意外と大きな効果が出ることがあるため、まずは低コストで試せる施策から着手しましょう。
そして、施策を実施したら必ず効果測定を行います。マイクロコンバージョンの数値がどう変化したか、そして最終的な購入数にどう影響したかを確認します。この時、短期的な変動に一喜一憂せず、一定期間(最低でも2〜4週間)のデータを見て判断することが大切です。特にアクセス数が少ないサイトの場合、数日単位のデータでは偶然の影響が大きく、正確な判断ができません。効果があった施策は本採用し、効果が薄かった施策は別のアプローチを試します。このPDCAサイクルを継続的に回すことで、徐々にファネル全体が最適化されていきます。
重要なのは、一度改善したら終わりではなく、継続的に監視し続けることです。市場環境や競合の動き、季節要因などによって、お客様の行動パターンは変化します。定期的にファネル全体を見直し、新たなボトルネックが生まれていないかチェックしましょう。
ファネルの「途中」に答えがある

セールスファネルのマイクロコンバージョンを設定することで、お客様がどの段階で離脱しているのか、どこに改善の余地があるのかが明確になります。そして、ボトルネックを特定し優先順位をつけて改善していくことで、最終的なコンバージョン率の向上につながるのです。
重要なのは、小さな改善の積み重ねです。各段階の遷移率をわずか数%改善するだけでも、最終的な購入数には大きなインパクトをもたらします。いきなり大きな成果を求めるのではなく、まずは1つずつ確実に改善していく。その積み重ねこそが、持続的な成長につながります。まずは自社のセールスファネルを可視化し、適切なマイクロコンバージョンを設定することから始めてみてください。
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「小さな企業でも、正しい戦略と仕組みで全国へ発信できる」ことを信念に、地域密着型の支援と全国展開の両立を実現。デザインとマーケティングを融合したDX推進を通じて、北海道から全国・海外へ価値を届けている。
趣味はベースギターと一眼レフカメラ、腕時計収集、旅行。

















