北見の誇る地元の優良企業「北一食品」

今回は全く仕事に関係ないローカルネタを書きます。

先日、私の地元北見市に本社を構える、北一食品が展開する回転寿しトリトンがテレビで紹介されました。
地元では知らないという人はいないくらい知名度がある地元の代表的な回転寿司店です。

正直、高い料金を支払って回らない寿司屋へ行くのなら私はトリトンへ行きます。
ひいき目なしに見ても回らない寿司屋さんより美味しい・・・いや、旨いです。

この回転寿しトリトン、テレビの中でも紹介されていた札幌豊平店では月に2万人の来客数があるらしく、仮に平均客単価が1,500円(低めの設定)でも、毎日100万円を安定して売り上げている驚きの回転寿司店なのです。

私は元々飲食店業界に10年勤務していたことがあります。一か月3,000万円の売り上げを経験できる店舗に勤務していたり、500席もある超大型店でわずか5時間で1日250万円の売り上げを叩き出す店舗などに配属された経験もありますがどれもとても安定できるようなオペレーションはではありませんでした。そのため何年も安定して月3,000万円を叩き出すトリトンに大変興味を持ちました。

そんな経験から退職後、地元に戻った際にたまたま北一食品で新規事業の居酒屋いっこん家のオープンが決まっており、店長候補募集を広告として掲載していたのを見て、本気で就職しようと考えたほど北一食品の展開する店舗に大変魅力を感じておりました。

このようなことからテレビを見たことで昔のように興味が沸いてしまい、「なぜトリトンが人気なのか」という秘密を探るべく、オレ流分析←おこがましい^^;をしてみました。

飲食店業界の永遠の課題

飲食店を経営する上で欠かせないもの、それは

日々営業する上で実際の売り上げと、売り上げ予測のブレを無くすこと

66cf48d9bc8adaa96ed6029828b93c21_s経営者として最初に行うべき重要課題となります。

売り上げ予測を下回れば人件費が嵩み、食材のロスが発生したり売れ残った食材を翌日に持ち込む必要が出てくるので翌日には新鮮な食材を提供できなくなります。

対して予測を上回れば人不足により、オペレーションの乱れが生じ、お客様に迷惑をかけたり、回転率が上がらなくなり、売り上げは下がります。

結果、売り上げ予測は上回っても下回ってもいいことはありません。

また、これらのことを続けることで将来的に抜け出せなくなるスパイラルに陥ります。

スパイラルが起きるまでの過程
  1. 売り上げ予測を外す
  2. サービスの低下、クレームに繋がる
  3. 売り上げが下がる
  4. 人員削減
  5. 売り上げ予測を外し、対応できなくなる
  6. サービスの低下、クレームに繋がる
  7. 売り上げが更に下がる
  8. 更に人員削減(1.に戻る)

上記のことでお客様に対する「攻めの営業」ができなくなり、自然とお客様のことより、経費のことしか考えない弱い骨組みの企業となってしまいます。

今月は人件費の使いすぎだから週末も人を削ろう

このような考えになってしまうとこのスパイラルから逃げることはできなくなってしまいす。これは経営にとって一番あってはならないことです。

平日・週末の売り上げ差がほとんどない環境を作り上げる北一マジック

トリトンホームページより引用
トリトンホームページより引用

回転寿しトリトンの凄いところは平日でも週末でもどの時間帯に行っても常に満席」というのを何年も継続しているというところです。

しかも全国展開をしているにも関わらず、どの店舗でも常に同じ状態でいつも同じ質のサービスを受けられます。

一つの妥協や不安要素があるのなら店舗展開はしない。

このこだわりと慎重さを守り続けることで平日・週末の売り上げ差のない安定した売り上げを叩き出す大きな原動力となっているものと思われます。

また、上記のことからトリトンでは売り上げ予測をそれほどシビアにする必要はないと予想します。なぜなら仮に近くでイベント(祭りや催し物)があったとしても常に満席のトリトンではこれらに左右されることはほとんどないということになります。ですので予測を外すリスクも他店より大幅に少ないということになります。

忙しいと思うのはリズムを崩された時

209b4ba5dbb88826d9ca551f51dd28f5_s-350x263「売り上げが安定するということは常に忙しいのでは?」と思う人がいるかもしれません。実はこれは大きな間違いです。

私の経験から、トリトンのような超人気店でのスタッフが一番忙しいと思う時間帯は最初のオープンから満席になるまでの数分間のお客様の対応と、集中したお客様の商品を提供するまでの最初の15~30分前後の時間帯のみと予測します。

そのため最初の波をクリアしてしまえば後は閉店まで常に満席のトリトンでは従業員のリズムを崩される確率は限りなくゼロに近いということになります。

この状態が続くと実践教育も行いやすいですし、忙しさを感じさせない、心のこもったサービスを提供できる環境を自然に作り上げることに繋がります。ベテランスタッフのゆとりのある接客姿勢を間近で見れる環境は新人にとって一番の手本となります。

余談ですが、「忙しい時こそ笑顔を出せ!」私が某チェーン店の新人時代によく言われた言葉があります。サービス業なのでその言葉は確かに間違いではないのですが、実際は忙しいと思っている中で「本物の心のこもった笑顔やサービス」というのは生まれません。

働くスタッフが本物の笑顔とサービスが出せる瞬間は、最善の環境(売り上げ予測に合った適正な人員)により、オペレーションの歯車がガッチリ噛み合い、その結果仕事にゆとりができた時と、自分のしたことがお客様に喜んでもらえることの楽しみを覚えた時が重なった時です。

恐らくトリトンスタッフのほとんどの人達は、伸び伸びと、そして常にやりがいを感じ、お客様に喜ばれることが楽しいということを身に持って実感していることと思います。

トリトンはお客様だけではなく、従業員にも優しい環境を作り上げることも優先させることができる企業だということです。

回転率と客単価を上げる工夫

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ソウル情報局様より引用

トリトンと言えば、店内にいつも並ぶ本日のおすすめである「すだれメニュー」が特徴的です。その日そのシーズンによって異なる時価メニューがここに並ぶので常連のお客様でも毎回楽しめます。

「こんなに毎日違うものをぶら下げて紙代が勿体ないでしょ?」と思うかもしれませんが、実はこれ、回転率と客単価を上げるために一役買っています。

なぜ?と思うかもしれませんが、トリトンのウェイティングルーム(待っている場所)は店内と一体化していることで常にすだれメニューがお客様の目につく場所にあります。このことで、席に座ったと同時に注文するものがある程度決めることができます。

このことで座ってから退席するまでの時間が短縮されることから、回転率に大いに貢献できます。また、食べたいものが決まっていてもすだれメニューがあればトリトンの商品の質からわかるように誰でも期待してしまいます。「商品が売れ残る可能性があるからおすすめしよう」という考えとは180度考え方が違います。

このことから紙代の経費を考えるどころか、売り上げアップに少なからず貢献しており、更に、自信のある商品のみをすだれメニューにすることで客単価アップと回転率にに貢献できているということになります。

従業員の質はベテラン、中堅、新人のバランスが良い店

66489c0bb6716f571df2bdeb6db5cb6e_s-350x234トリトンの徹底したサービスを見る限り、従業員の退職率も恐ろしく低いのでは?と推測します。

それを思った理由としては、どの店舗に行ってもスタッフの気配り目配りが自然にできており、これらは経験を積んだベテランスタッフが多い店ならではの特徴です。

ベテランスタッフは、オペレーションの乱れを最小限に抑えるための臨機応変な対応方法を知っており、ベテランスタッフが多いことで働くスタッフにも自然とゆとりが生まれます。

余談ですが、私の経験上、常にどちらの仕事(ベテランの仕事でも新人の仕事)も行える中堅スタッフがバランスよく揃っている店舗は総合的に安定します。

退職率の多い店のほとんどは、中堅スタッフ(ある程度経験を積んだスタッフ)が少ない店舗が多く、その穴を埋めるために、新人を大量に導入し、ベテランと新人だけというアンバランスな店になります。

このようになると、ベテランスタッフは休みが取れなくなることが多くなります。なぜなら、新人に、ベテランスタッフのフォローはできないからです。

せっかく育った中堅スタッフが抜けることは再教育を行う必要がでてくるのでその影響で休めなくなり、結局ベテランも辞めてしまうという悪循環が生まれます。

このことから飲食店などに就職すると「土日のような忙しい時は責任者は休んではだめ!」という暗黙のルールが存在したりしますが、安定した人員のトリトンでは、どんな時でも休める環境が自然と出来上がっているのではと推測します。

私の理想とする究極の店は、スタッフが変わろうがどんな環境下でも戦力のバランスが保たれ、尚且つしっかり休める会社です。

この安定したオペレーションを継続させるための鍵を握るのはベテランと新人の作業フォローができる中堅スタッフの存在は欠かせません。

売り上げより安定

トリトンはすべてにおいて売り上げが安定するまでいたずらに店舗展開はしません。

店舗が増えれば店長もその数だけ必要ですが、運営を任せるにはまだ早い時期店長候補や新人ばかりのスタッフを急造するのは長い目で見てリスクが伴うということを知っているからです。

実際これを理解していても同じことを行うことは至難の業です。なぜならこれらを真似するにあたり新店舗としてオープンしてから今日に至るまで安定してやり遂げるための優秀な人材をいつ、どんな時でも揃えることができる体制を取れる環境が必須となるからです。

恐らく、トリトンの新店オープン時は他店舗の「最強」と称されるベテランスタッフを惜しみなく投入し、通常営業人員の3~4倍のスタッフで万全な体制を取りつつ、新人の実践教育ができる最高の環境の元、オープンさせていることと思います。

トリトンの目指す究極のサービスとは

トリトンでは寿司ロボットをほとんど使用していません。また、仕込みも全て店舗で行っています。これらを実現するためには人件費をライバル店より多く使う必要が出てきます。TVの中で、「これだけ人を使ってますが人件費は大丈夫なのですか?」という質問がありましたがこれらは売り上げが安定しているトリトンだからできる技の一つです。

トリトンの凄いところはお客様の満足度を優先させることを一番に置き、それらを達成するための環境を自然に作り上げているところにあります。

料理の質、スピード、接客、価格、問題発見からの原因対策、どれが欠けても売り上げは維持できません。これら全てをお客様とスタッフの満足できるレベルで妥協せず底上げができたことで売り上げを維持する原動力となったのは間違いありません。

絶妙なバランスを保ちつつ、当たり前のことを当たり前にする。そしてその環境を作るための柱。他店では大きく崩れるオペレーションの乱れでも最小限に抑え切る一人一人の強さ。これがら最高のトータルサービスを提供可能とし、結果常に安定した売り上げを維持できる秘訣なのだと私は思います。

立地戦略、店内の作り、店長教育、営業戦略etc・・・まだまだ気づいたことや書きたいことが沢山ありますが今回はここまでとします。

長々とありがとうございます。

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