「Webマーケティングって何から始めればいいのだろう?」
「SEO、SNS、広告…たくさんあって何が正解かわからない」

小規模事業の経営者やWeb担当者に任命された方、マーケティング部門の新人の方々から、このような声をよく耳にします。確かにWebマーケティングは専門用語が多く、施策の選択肢も豊富なため、初心者にとっては全体像が見えにくい分野です。

しかし、Webマーケティングには明確な「型」があります。この型を理解することで、あなたは単なる40点レベルの表面的な知識から脱却し、60点以上の実践的なマーケティング思考を身につけることができます。本記事では、Webマーケティングの全体像を4つの施策で体系的に整理し、初心者でも迷わず実践できるステップをご紹介します。

Webマーケティングとは?基本の考え方

Webマーケティングとは、「オンラインを駆使した施策で売れるを必然にすること」と定義できます。ここで重要なのは「必然」という言葉です。偶然や運任せではなく、再現性高く売上を上げる仕組みを作ることがマーケティング活動の本質なのです。

売上は次のシンプルな方程式で表すことができます。

売上 = インプレッション × コンバージョンレート × LTV(ライフタイムバリュー)

インプレッションは「どれだけの人に見てもらえたか」、コンバージョンレートは「見た人のうち何%が購入したか」、LTVは「一人の顧客が生涯でどれだけ購入してくれるか」を表します。Webマーケティングのすべての施策は、この方程式のどこかを改善するために存在しています。

なぜ体系的に理解することが重要なのでしょうか。それは、施策を場当たり的に実行するのではなく、今どこに最大の「穴」があるのかを見極めて、最もインパクトの大きい施策に集中できるようになるからです。2025年現在、AI活用やショート動画など最新トレンドは次々に登場していますが、基本となる考え方を押さえていなければ、それらのトレンドも効果的に活用できません。

4つの施策で整理するWebマーケティングの全体像

Webマーケティングは、顧客との関係性の段階に応じて「集客」「接客」「追客」「ファン化」の4つに分類できます。この4つの視点で施策を整理すると、現状の抜け漏れや課題が明確になります。

集客:見込み客との接点を作る

集客とは、潜在顧客との最初の接点を作る段階です。顧客の検討度に応じて、3つのシチュエーションに分けて考えると理解しやすくなります。

まず「調べる」シチュエーションです。顧客が自ら情報を探している状態で、検討度が最も高い段階といえます。ここではSEO(検索エンジン最適化)、リスティング広告、アフィリエイト広告などが有効です。検索キーワードに対して適切な情報を提供できれば、購入に近い見込み客を獲得できます。

次に「人から聞く」シチュエーションです。SNS(YouTube、Instagram、X、TikTokなど)、コミュニティ、インフルエンサーマーケティングがこれに該当します。2025年現在、特にショート動画やライブ配信といったSNS施策の重要性が増しており、日本のSNS利用率は82%に達しています。友人や信頼できる情報源からの推薦は、検討度をぐっと高める効果があります。

最後に「その他」のシチュエーションです。PR活動、展示会、オフライン広告など、まだ検討していない層にリーチする施策です。検討度は低いものの、認知拡大には欠かせません。
従来のWebマーケティングでは「調べる」施策に偏りがちですが、この3つのシチュエーションを俯瞰的に捉え、バランスよく展開することが重要です。

接客:商品の魅力を伝える

集客で獲得した見込み客に対して、商品やサービスの魅力を具体的に伝えるのが接客の段階です。

接客の場所としては、まずWebサイトが挙げられます。特にサービスサイトは接客効率が高く、商品の特徴や価格、導入事例などを体系的に伝えられます。コーポレートサイト(ホームページ)も重要ですが、両者の役割は異なることを理解しておきましょう。

その他、SNSのプロフィールページ、メールマガジン、電話対応、オフラインでの説明会なども接客の場です。どこで接客するかによって、伝えられる情報量や説得力が大きく変わります。

ここで重要なのは、集客した顧客の検討度と接客の質を合わせることです。たとえばYouTubeで認知を得た顧客が指名検索であなたの会社名を調べたとき、Webサイトが魅力的でなければコンバージョンに至りません。集客だけでなく、接客の最適化も並行して進める必要があります。

追客:離脱した顧客に再アプローチ

一度Webサイトを訪れたものの購入に至らなかった、あるいは興味を示したが迷っている顧客に対して、再度接触を持つのが追客です。

代表的な手法はリターゲティング広告です。サイト訪問者を追跡し、SNSや検索結果に広告を表示することで、再度サイトへ誘導します。また、離脱時にポップアップを表示して資料請求やメルマガ登録を促す方法も効果的です。

2025年現在、特に注目されているのがLINEを活用した追客です。LINEは開封率が高く、リッチメニューやセグメント配信などの機能を使えば、きめ細かなフォローが可能です。SNSのコンテンツ更新も追客の一環であり、定期的に情報発信することで自然な再接触の機会を作れます。

追客は単なるメッセージ送信だけでなく、顧客との関係性を維持・強化する重要なプロセスです。適切なタイミングで適切な情報を届けることが、コンバージョン率向上の鍵となります。

ファン化:リピートと紹介を促す

購入後、顧客をファンに育て、リピート購入や口コミによる紹介を促進するのがファン化の段階です。この施策は企業ごとの個性が現れやすく、長期的な売上を支える重要な要素です。

具体的な施策としては、顧客専用の特設サイトやマイページの提供、既存顧客限定のホワイトペーパー配布、キャンペーンやクーポンの提供などがあります。SNSでの継続的な情報発信も、既存顧客との接点を保ち、クロスセルや契約更新につなげる効果があります。

UGC(ユーザー生成コンテンツ)の促進も重要です。顧客が参加できる企画を実施し、SNSでのシェアを促すことで、ファンが新たなインプレッションを生み出します。これが冒頭の売上方程式において、ファン化がインプレッション増加にも貢献する理由です。

また、カスタマーサポートの質も見逃せません。丁寧な対応を通じて「この企業に発注してよかった」と思ってもらうことが、長期的な関係構築の基盤となります。

初心者が陥りがちな失敗パターンと対策

Webマーケティング初心者が最もよく陥る失敗は、4つの施策のうち一部だけに注力してしまうことです。

たとえば「とりあえず100万円でホームページを作りたい」という相談があったとします。これは「接客」の対策です。しかし、そもそも集客がなければ、どれだけ立派なホームページを作っても誰も見てくれません。あるいは「YouTubeで再生数は取れているが問い合わせが来ない」というケースもあります。これは集客はできているものの、接客が不十分である可能性が高いのです。

60点のマーケターと40点のマーケターの違いは、「ほんでいくら儲かんの?」という質問に答えられるかどうかです。つまり、提案されている施策が売上方程式のどの部分を改善し、どれくらいのインパクトをもたらすのかを想定できる力です。

施策の穴を見つけるためには、以下のチェックポイントを意識しましょう。

  • 集客はできているか?どのシチュエーションからの流入が多いか?
  • 集客した顧客を適切に接客できているか?
  • 一度離脱した顧客を追客できているか?
  • 既存顧客をファンに育て、リピートや紹介を生み出せているか?

この4つの視点で現状を分析すれば、最もボトルネックになっている部分が見えてきます。

これから始める方への実践ステップ

では、初心者は具体的に何から始めればよいのでしょうか。

まず、現状の4つの施策(集客・接客・追客・ファン化)の状況を可視化することから始めましょう。Googleアナリティクスなどの分析ツールを使い、どこからどれだけ人が来ているのか、サイト内でどう行動しているのか、コンバージョン率はどれくらいかを把握します。データがない場合は、まず計測環境を整えることが優先です。

次に、最も大きな穴がある部分に集中投資します。たとえば集客がほとんどできていないなら、まずSEOかSNSか広告のいずれかで認知を広げることが先決です。すでに集客はできているがコンバージョンが低いなら、接客の改善(Webサイトの見直し)に注力すべきです。

重要なのは「小さく始めて検証する」アプローチです。いきなり大規模なリニューアルやキャンペーンを実施するのではなく、特定のページ改善や限定的な広告配信からスタートし、効果を測定しながら改善を繰り返しましょう。

また、すべてを自社で対応する必要はありません。専門性の高い領域(SEOの技術的対応や広告運用など)は外部のプロに相談するのも有効です。その際、相手に「何をしたら、いくら儲かるのか」を質問し、複数の仮説を提示できるかどうかで、パートナーのレベルを見極めることができます。

まとめと次のアクション

本記事では、Webマーケティングの全体像を「集客」「接客」「追客」「ファン化」の4つの施策で整理し、初心者が押さえるべき基本の考え方と実践ステップをご紹介しました。

改めて重要なポイントを振り返りましょう。Webマーケティングは「売れるを必然にする」ための体系的な活動であり、売上はインプレッション×コンバージョンレート×LTVの方程式で理解できます。施策を4つに分類して考えることで、現状の抜け漏れや最大のボトルネックを発見できるのです。初心者が陥りがちなのは、一部の施策だけに偏ってしまうこと。全体を俯瞰し、最もインパクトの大きい部分から改善していくことが成功への近道となります。

もし「自社のWebマーケティングは今どこに穴があるのだろう?」「ホームページは作ったけれど、成果が出ていない」と感じているなら、まず現状を客観的に診断することから始めましょう。

私たちは、Webマーケティングの全体像を踏まえた「ホームページ改善アドバイス」を提供しています。あなたのサイトが4つの施策のどこで躓いているのか、どこを改善すれば最も効果が出るのかを、プロの視点で診断いたします。

▼ホームページ改善アドバイスのお申し込みはこちら
https://with-planning.co.jp/homepage-reaction-diagnosis/

まずは現状を知ることが、成果につながる第一歩です。ぜひお気軽にご相談ください。

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